うさぎのしっぽとハゲのあぶら
2012/12/01 Sat 00:16
先日、ある雑誌を見ていて、こんなお店がある事に気付きました。
その名も「うさぎのしっぽ」。
つまり、うさぎ専門店。
しかしこの店、ただうさぎを売るだけでなく、
「うさぎのいる生活をサポートする店」らしい。
素直に感動しました。
いや、僕はうさぎが大嫌いなので(っていうか、うさぎは怖い!)、うさぎに感動したわけではありません。
うさぎではなく、そのビジネスの狙い所に感動を覚えたのです。
今まで、ペットショップといえば、犬・猫・熱帯魚が幅を利かせておりました。
店のドアを開ければ、わんわんわん!と無数の子犬が檻の中で走り回り、そんなバカ犬共を壁備え付けの檻の中から冷静に見つめる猫。
そして、店の奥では薄暗い熱帯魚コーナーがジメッと湿気を溢れさせ、プクプクプクっと小気味良い酸素の音を響かせております。
そんなペットショップの片隅。
そこには、いわゆるB級ペットと呼ばれる、うさぎ・インコ・ハムスター等が、迫害されております。
彼らは、自分達の『分』を弁えているのか、
「どうせ俺たちゃ脇役だから……」
と控えめな感じで、ウサギは大根の葉っぱをひたすらカリカリと齧り、インコは狭いカゴの中で割り箸のような細い棒の上を行ったり来たりと歩き回り、そしてハムスターと言えば、千切った新聞に潜り込んでは生きているのか死んでいるのかわからず、時々のそりと新聞紙の中から這い出てきたかと思えば、狂ったように車輪の中でカラカラと走り回るだけ。
彼らは妙に暗い目をしながら、世にすね、人を怨み、そして待遇の良いペットちゃん達を妬んでいるのです。
僕はそんな彼らをペットショップで見る度に、いつも胸が締め付けられる思いがしてなりません。
千切った古新聞のベッドに潜るハムスターの姿はまるでホームレスです。
一点を見つめながらゴミクズのような大根の葉っぱをカリカリと齧るうさぎのその姿は、ナチスに脅えながら、薄暗い屋根裏でビスケットを齧るユダヤ人そのものなのです。
彼らを何とかしてやりたい!
ペットショップの片隅で彼らを見る度にいつもそんな正義感に駆られますが、しかし、買ってまで助けようという気は起きません。
ぶっちゃけ、ネズミと同居するなんて真っ平御免です。
ですから僕は、いつも彼らを見る度に、
「何もしてあげられなくてごめんよ……」
と、一粒の涙を流すフリをして、その場を足早に立ち去っていたのでした。
そこに登場したのが「うさぎのしっぽ」です。
今まで、ペットショップの片隅でユダヤの如く迫害されて来たうさぎ達が、やっと日の目を拝める事ができたのです。
しかも見て下さい、この店内!
もう、うさぎの天下です。
トイプードル?なにそれ?
アメリカン・ショートヘア?だからどーした?
ってな感じですよ。
ここには、もうゴミクズのような大根の葉っぱはありません。
古新聞を千切ったベッドも無く、コロコロウンコにまみれながら生活しなくても良いのです。
「ペレット」と呼ばれる餌に、おしゃれなトイレ。
そして、今までペットショップの片隅で、子猫ちゃん達が優雅にゴロゴロと寝転がっているのを見つめながら「いいなぁ、温かそうだなぁ」と思っていた、あの夢にまで見たフカフカの「テディーベッド」まで付いているのです!
うさぎ万歳!誰かこの店のオーナーにノーベル平和賞をやれ!いや、この店のオーナーを総理大臣にしろ、そーすれば被災者問題も普天間問題もすぐに解決する!この店のオーナーはうさぎをここまで大切にする人だから、きっと人間だったらもっともっと大切にしてくれるはずだ!まさにここのオーナーはうさぎ界のシンドラーだ!
そんな滅茶苦茶な事を思っていた矢先、ふと僕の脳裏に、
次はハムスターだ……
という、乞食的便乗商売欲が湧いて出て来ました。
そうだ、あっちが「うさぎのしっぽ」なら、こっちは「ハムスターの前歯」って名前でひと儲けしてやる。
僕は、居ても立ってもいられなくなりました。
一刻も早くハムスターで儲けたい。
ハムスターを救い、ハムスターで大儲けし、そしてハムスター界のシンドラーになるんだ!
そう思った直後、ふと僕の脳裏に、更なるアイデアがピカーンっと浮かびました。
「そうだ!ハゲだ!」
僕はそう叫びながら無意味に立ち上がり、志しを抱く幕末の志士のように天井をグッと見上げました。
確かに、ハムスターもいい。ハムスターもウサギのようにあの迫害状態から救ってやりたいし、それに「ハムスターの前歯」は、それなりに儲かるだろう。
しかしその前に、ハゲだ。
ハゲだ、ハゲ頭だ。
ハムスターを救ってやる前に、まずはあいつらを救ってやるのが先決なのだ!
ハゲ専門店を作り、いわれなき差別を受けている世のハゲ頭に、ひとときの幸福を与えてやるんだ、そしてハゲ頭からガッポリと儲けてやろう!
「ハゲ生活をサポートする店・ハゲのあぶら」
えっ?
そんなの既にアートネーチャーとかアデランスとかが『ヘアサポート』とか言ってやってるだろって?
ふふふふふ。
アレはダメです。
アレは、いわゆる「ハゲの誤魔化し」をサポートしているだけの悲しいサービスなのです。
カツラなんて所詮はイミテーションです。
育毛なんて所詮は詐欺的行為なのです。
そんな誤魔化しに騙されてばかりいるから、いつまでたってもハゲはバカにされるんです!
(↑これは酷い。この商品は『髪の不自由な人』を著しく中傷しております。もし、これと同じように、『目の不自由な人』や『言葉の不自由な人』をバカにしたような商品が売り出されれば、たちまち日本身体障害者団体連合会( 日身連)は怒り狂い、激しく抗議する事でしょう。そしてそれに扇動された似非ラブ&ピースな市民達がケチなブログに悪口を書きまくり、挙げ句にはその商品の不買い運動などを起こす事でしょう。が、しかし、なぜか『髪の不自由な人』だけは許されてしまう。日身連は今一度、身体障害者の定義を見直すべきです。尚、短小包茎やクサマンも身障であると僕は思います)
所詮、カツラは変装グッズに過ぎません。
カツラは、つまり詐欺なのです。
カツラは、ハゲのくせに「全然ハゲじゃない!」と偽る、淋しいコスプレなのです。
(↑こんな小細工をするから、道で子供と擦れ違えばクスクスと笑われ、何かというと「たこ」などという差別的なあだ名を付けられ、そして息子達からは遺伝だなんだと攻撃を受けるハメになるのです)
ですから、「ハゲのあぶら」では、カツラなどという詐欺まがいのイミテーションはオススメしません。
育毛や増毛などという、無駄な抵抗もいたしません。
カツラや育毛といったイカサマな方法はハゲを真っ向から否定しているわけであり、つまりはハゲを冒涜しているのです。
五十を過ぎた加齢臭が「ハゲは恥ずかしい」などと、まるで生娘のように恥ずかしがり、そして無理に隠そうなどと無駄な抵抗を試みるから、ハゲは滑稽なのです。
ですから、「ハゲのあぶら」では、あえてハゲを隠しません。
先日の草薙剛君のように、
ハゲで何が悪い!
と、堂々と言える日本武士的な「開き直り」をお勧めし、ハゲ親父たちにエンジョイ・ハゲ・ライフをサポートするのです。
そんな「ハゲのあぶら」の各種サービス。
アロマを垂らした「ハゲマッサージ」はもちろんの事、「ハゲパック」や「ハゲサウナ」、そして、シャープな輝きが増す「ハゲワックス」まで色々ございます。
又、ハゲ頭をアート的に彩る「ハゲ・ペインティング」や「ハゲ・タトゥー」、LEDを使用した「ハゲ・イルミネーション」など、ファッション性と遊び心を重視したサービスも考えております。
そして、更に芸術性を高めた整形として、ハゲ頭に専用シリコンを注入し、従来の歪んだハゲ頭をアート的な形にするといった斬新的なサービスまで考えております。
このように、「うさぎのしっぽ」という専門店が出現した事により、今までペットショプの片隅で迫害されていたウサギが、やっと日の目を拝む事ができるようになったように、僕も、「ハゲのあぶら」という専門店を作り、世の片隅でひっそりと輝いているハゲ頭達に生きる希望を与え、そしていつの日か『ハゲ界のシンドラー』と呼ばれるようになりたいと、日々妄想しては1人クスクスと笑っているのです。
昔から、
ハゲとデブと短小は儲かる
と、言われております。
日本のハゲ人口は非常に多く、育毛剤等のその需要は、肉体労働者の『吉牛』に匹敵すると言われております。
そんなハゲ商売。
もし、これを御覧の皆様の中に、本気で「ハゲのあぶら」を経営し、ひと儲けしてみようかなっと思う、阿呆な方がございましたら、←のメールフォームから御連絡下さい。
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(嘘ですけどね)
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