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不思議な前田吟

2011/10/08 Sat 13:21

不思議な前田吟
どこにでもいる。
いつもいる。
前田吟はもはや身内と言っても過言ではない。

こいつの名前を、今、初めて知った。
でも「吟」を何と呼ぶのか未だにわからない。
調べたくもない。
名前なんてどうでもいい。
とにかくこいつは、いつもいるから名前なんてどうでもいいのだ。

柴又のさくらちゃんの旦那。
積み木くずしのカオリの父ちゃん。
仁義なき戦いでもちょっと暴れてた。
渡る世間は鬼ばかりにもいたみたいだけど、僕は渡る世間は鬼ばかりを見た事が無いから知らない。

いつも苦笑いしている。
いつもやる気のなさそうな気怠い顔して苦笑いしてる。
居間の隅で、厨房の奥で、公園のベンチで苦笑いしてる。
苦笑いしながらいつもどこかにいる。

「はっ」と気付くとそこにいる。
「はっ」と気付いた時にはもう消えている。

どこにでもいるのに、いつも観てるのに、なのにこいつが主役してるのを1度も見た事が無い。
いや、もしかしたら観た事あるかも知れないが、けど忘れた。
別に、こいつが主役のドラマを観たいとも思わないからそんなのはどうでもいい。

こいつをテレビで観てると、ふと、こいつは僕のお父さんじゃないのか?と思ってしまう時がある。
いや、近所のおっさんだったかな?とも思う時もある。
先生だったような気もするし、床屋の親父だったような気もするし、刑務所の担当だったような気もする。

だから、もしこいつと道でばったり出会っても、きっと違和感が無いだろう。
迷う事無く普通に「よっ!」と声を掛けるだろう。
で、少し歩いてから「あれ?あいつ誰だっけ?」と考える。
そして、「あっ!」と気付いて慌てて振り向くと、あいつはもういない。
気付くと消える。
あいつはそんな男なのだ、きっと。

あいつは僕にとって基本的にどうでもいい男だ。
いようがいまいが関係ない。
あいつがいなくても別に何も困らない。

だけど死んだらきっと悲しい。




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