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久々に見たイイ女

2012/01/14 Sat 00:35

久々に見たイイ女

久々にイイ女を見た。
特別手配されたオウムの男を16年と8カ月も匿った女。
このくそっくらえなニッポンに、まだこんな女がいたのかと妙に嬉しくなった。

平田某という男がオウムで何をヤらかしたか知らないが、しかし、平田と言えば、駅やパチンコ店やコンビニなど、どこにでも必ずブロマイドが飾ってある有名人だ。

そんなヤツを、よく16年と8カ月も・・・・

因みに、僕も過去に指名手配を二度ほど喰らった事がある。
新宿署発行のキップを手に入れた僕は、行楽気分で全国を逃げ回り、実に快適な「兇状旅」を合計3年近く楽しんだ。

しかし平田の指名手配は、そんな僕のチンケな指名手配とは月とスッポンなほどに違う。

そう、ヤツは「警察庁指定被疑者特別手配」という、全国のおまわりさんが血眼になって捜し回る程のとんでもねぇレベルの指名手配なのである。

そんな、とんでもねぇ男を16年と8カ月も面倒見た女。

平田某がどんな凶悪犯罪をやらかしたのか知らないが、しかしこの女は暗黒街の女の鏡だ。

まさに、暗黒街のなでしこジャパンであると、僕は本気でそう思う。

が、しかし、この女、今後、調子に乗る可能性もなきにしもあらずだ。

この類いの、有名な「ぬかるみ女」を、出版会社や映画会社が指を銜えて見てるはずがないからだ。

恐らく彼女は、1年から6月程度の実刑判決だろう。
いや、もしかしたら執行猶予の可能性も大きい。

で、シャバに出て来るなり、さっそく出版会社が銭をチラつかせながら群がり、まずは手始めに「手記」の出版だ。

『オウム特別手配犯と暮らした16年と8カ月』

なんて、ズバリのタイトルで幻冬舎あたりから発売され、あっという間にベストセラー。

すると、続いて映画会社なんかが揉み手をしながら接近して来る。

びっくりするほどの銭を積まれ、女の脳は銭の香りでピリピリと痺れる。

アルタミラピクチャーズあたりの映画会社が、

『風の吹く町』

なんて、臭いタイトルの映画を製作(原作は浅田次郎)。
キャスティングは揉めに揉めたが(ワイドショーの話題性を狙って、主人公をのりピーにしようと画策した為)、結局、主人公は落ち目の宮沢りえに落ち着いた。
(平田の役も、当初は紳助にするなどと大風呂敷を広げては話題性を謀ろうとしたが、しかしそれはあまりにも信憑性が薄いとどのワイドショーにも相手にされなかった。因みに、平田役は役所広司に決定)

さて、こうしてびっくりするくらいの銭を手に入れた女は、この辺りからだんだんと勘違いを始めだす。

映画の公開を目前にして、女は『金スマ』に出演。
(もちろんそれは映画の宣伝を目論んでおり、番組の半分は『風の吹く町』のPVだった)

金スマを皮切りに、彼女はテレビにバンバン出始める。
ワイドショーでは、有田芳生や江川紹子と並んでオウム関連のコメンテーターとなり、ついでに関係のない北朝鮮問題なんかにも口を挟むようになる。

そんな女のブームに乗っかろうと、またしてもテリー伊藤がしゃしゃり出て、女をバラエティー番組なんかに引きずり込み、熟女好きな若手お笑い芸人なんかがやたらチヤホヤしたりして、女の人気は急上昇。

こうなると、この女はいったいナニモンなんだ?と、正体不明になってしまい、次第に過去の事件は闇へと葬られ、まさに『飯島愛のAV時代』の時ように、平田事件は業界のタブーとなってしまうのだ。

オウム指名手配犯を匿った女は、いつしか華やかに芸能界に羽ばたいた。
そんな女の華麗なる活躍を、千葉刑務所の独房でひっそり見守る平田受刑者。

映画が公開される間近まで、女は平田が収監される千葉刑務所へ面会に行っていた。
が、しかし、金スマに出演してからというもの、各テレビ局から出演依頼が殺到し、それ以降は平田の面会には行っていない。

しかし平田は、それでいいんだ、と、独房の片隅で静かに頷く。
「俺なんか忘れて、幸せになってくれ……」
刑期を12年残す平田は、彼女との逃亡時代を夢のように思い出しながら、ソッと涙を流す。

こうなると、暗黒街のなでしこジャパンは、いつしか暗黒街のあやまんジャパンへと転落する。
調子に乗って『平田のシュシュポッポッ』などという意味不明な歌をリリースし、オウム時代の「サマナ服」なんかを着ては『HEY!HEY!HEY!』や『ミュージックステーション』で歌って踊る始末。

すると、そのうち獰猛なクレーマーたちが、

『犯罪者をバラエティー番組なんかに出すな!』

『地下鉄サリンの被害者の気持ちを考えろ!』

と、各テレビ局に抗議を始め、芸能界を追放された女は再び「ぬかるみ」へと沈んで行く。

そこに颯爽と現れるのがAV会社。

『サリン級ハードファック!霞ヶ関でぶちこんで』

などという、実に不謹慎なタイトルで強烈なAVを発売するが、しかし、それさえもたった1本で話題は去り、いつしかそのDVDは、レンタル店の熟女コーナーで埃をかぶる。

こうなると、女はどっぷりと『めかるみの女』となる。

女はその後、各地のストリップ劇場を点々とするが、しかし五十を過ぎた女の身体は既に賞味期限が切れ、商品価値は無かった。
最後の砦だったストリップまでも追い出された女は、町屋、日暮里、南千住のピンサロを渡り歩くが、しかし、『女性自身』のウジ虫のような記者に散々追い掛け回され、そのまま名古屋、大阪、神戸へと逃げ回る。

気が付くと女は広島にいた。
こんなに遠くまで逃げてきたんだ……と、うらぶれた場末のスナックで身分を隠しながら働く女は、淋しい溜息を静かに吐いた。

そんな時、いつも思い出すのが平田の事だった。
女は、一人アパートの殺風景な部屋をぼんやり眺めながら、平田が出頭するその日、平田の太い眉毛を毛抜きで抜いた事や、随分と薄くなった髪を茶色に染めては「キチガイのオカマみたい」と、二人でクスクス笑ったあの時を思い出した。
そして、「あの人、甘いモノが好きだったから……」とポツリと呟き、今頃は千葉刑務所の独房で甘いモノに飢えてるだろうなと悲しく微笑んだ。

そう微笑みながらも、もう一度、あの華やかな芸能界に戻りたい、と、ふと思った。
しかし、自分一人の力で芸能界へ戻るなど絶対に不可能だ。
自分が芸能界で華やかに生きられたのも、それは全て平田という男のバックボーンがあったからであり、それもこれも平田を匿った武勇伝のおかげだと、女自身、十分わかっていた。

平田……あの人が脱走でもしてくれたら……

女がそう思った時、不意に台所の窓がガタガタっと揺れた。
それがあまりにも不自然な揺れ方だったため、女は、まさか『女性自身』の記者がこのアパートを嗅ぎ付けたのではないかと警戒した。

再び台所の窓がガタガタっと揺れた。
それは明らかに、窓を開けようとしていた。

女は腹を据えた。
もし『女性自身』の記者だったらこれでぶん殴ってやる、と、テレビのリモコンをソッと握りながら台所の窓へと足を忍ばせる。

ガラガラガラ……
そう音を立てながら、ついにその小さな窓が開いた。

「誰!」

女は叫びながら手に持ったリモコンを振り上げ、窓の外を覗く。

そこには、坊主頭の男が、まるで捨てられた子猫のようにブルブルと震えていた。
女はその男の顔にどこか見覚えがあった。

男は脅える目で女を見つめながら、

「スミマセン……ハラがヘッテ……ウゴケマセン……」

男は中国訛りのカタコトの日本語だった。

女はニヤリと微笑んだ。
微笑んだ瞬間、あのテレビ局の華やかな照明や、綺麗な衣装が女の脳裏でパッと甦った。

この男を匿えば……もう一度……

女は男を見下ろしながらそう呟くと、窓の外で震える男にソッと手を差し伸べたのだった………

201201120100181.jpg

と、まぁ、こーなればおもしろいのになぁーっと思っていたら、残念な事に李国林受刑者は逮捕されてしまった。

あの支那ギャングには、もっと暴れ回ってもらいたかったのに非常に残念だ……。



久々に見たイイ女。
特別手配されたオウムの男を16年と8カ月も匿った女。
どうか彼女には、アホな奴らに踊らされる事無く、いつまでもいつまでも平田の帰りを待ってて欲しいと、心からそう思う。



こんな破滅的な男と女を描いた破滅小説くそったれ。
是非とも覗いてみて下さい。
よこ240たて80



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